2020年08月06日 14:47

キヤノンは、ガイドレス方式の次世代自動搬送台車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)分野において、日本電産シンポと協業を開始する。
近年、工場や倉庫などの物流業務における省人化や効率化の観点から、AGVなどの自律移動ロボットの需要が高まっている。しかし、既存の磁気テープを用いるガイド方式のAGVや、ガイドレス方式で主流の2次元LiDARによるSLAM技術を用いるAGVは、人が動き回ったりモノが増減したり時々刻々と状況が変化する現場に柔軟に対応することが難しく、期待する効果が得にくいという課題がある。
キヤノンが開発したVisual SLAM技術は「移動ロボットの眼」となるソフトウエア技術で、水平面・垂直面の幅広い画角で撮影されたカメラの撮影データを用いて、周囲の環境の3次元情報とカメラの位置姿勢を同時に推定するため、レイアウト変化の多い現場でも柔軟に対応することができる。
今回、キヤノンは日本電産シンポと協業し、キヤノンのVisual SLAM技術を含む映像解析システム「Vision-based Navigation System for AGV」を提供することにより、日本電産シンポが販売を開始する自動搬送台車「S-CART」の新シリーズ「S-CART-V」の製品化に貢献した。日本電産シンポは、搬送重量100kgタイプの販売を皮切りに、その他の機種についても順次、本システムの搭載を進める予定だ。