2020年07月21日 18:37

医療情報総合研究所(JMIRI)は、独自に運用する「JMIRI処方情報データベース」の2020年6月データを基に、新型コロナウイルスの感染拡大が処方箋データに与えた影響を調査・分析。「第5報」として発表した。

まず、6月の平均処方日数は前年同月比14%増(114%)、患者数は前年同月比9%減(91%)となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関における一回あたりの平均処方日数が増加、患者数が減少する傾向が続いていたが、政府が5月25日、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」を全面的に解除した後、平均処方日数、患者数共に、昨年と同様の水準に戻りつつあるようだ。

また、5月まで減少傾向が顕著だった小児科と耳鼻咽喉科の患者数も、それぞれ前年同月比62%、67%となり、徐々に復調している。小中学校の再開や在宅から出社への勤務の切り替えなどにより、外に出る人が増えたことが一因であると考えられる。

継続的な治療が必要な慢性疾患(糖尿病、脂質異常症、高血圧)の患者を対象として、来院予定月に処方のあった割合を算出したところ、4月から5月にかけて減少していたことが分かった(前年同月比3%減)。これは患者が、4・5月に予定していた受診を控えたためだと考えられる。しかし、6月には来院予定月に処方のあった患者の割合が100%に回復。緊急事態宣言の解除を受けて患者が、昨年と同様に医療機関を受診するようになったことがうかがえる。