2020年05月22日 17:13

バスクリンは、入浴による継続的な温熱負荷(40℃15分間の全身浴を2週間継続)が、入浴時の血行を促進させ、発汗の開始時間を早めることを明らかにした。

暑さに備えた身体づくりの代表的な方法として、運動で汗をかくことが挙げられるが、感染症予防の観点から屋外で運動をすることが難しい今、屋内で汗をかく手段を利用したいもの。本研究では、健常人男性を対象に、40℃15分のさら湯での2週間連浴が、発汗機能や皮膚血流量等の熱放散反応にどのように影響するかを検討した。その結果、40℃15分間の全身浴を2週間継続することで、入浴中の皮膚血流量は、試験開始時と比較し、試験終了時(2週間継続後)において有意に高まることが認められた。

本研究により、継続的な入浴による温熱負荷は、暑熱環境下において皮膚血流量を増加し、発汗までの開始時間を早めることが明らかになった。さらに、本学会の発表において、冬季に同様な試験を実施した際に、夏季と比較し発汗までの時間は延長したものの、試験前と比較し試験後の発汗開始時間の短縮および入浴中の発汗量の有意な増加を確認したことを報告。季節を問わず、40℃15分間の継続的な温熱負荷は、発汗機能を高めると言える。

これらの作用は、日常的な入浴は身体を清潔にするだけでなく、暑熱環境下における身体の適応として、夏季の暑さに備えた身体づくりの手段として有用であることが示唆された。