2020年04月28日 18:44

順天堂大学スポーツ健康科学部の武田剛准教授、および筑波大学体育系の高木英樹教授らの共同研究グループは、競泳のクロールの泳ぎ出しにおいて飛び込みやプール壁の蹴り出し後にバタ足をすると、大きく減速することを実証した。
これまでの研究においても、クロールのバタ足は推進力への貢献よりも、水平姿勢の維持という役割が大きいと考えられてきたが、泳ぎ出しにおけるバタ足の効果についてはよくわかっていなかった。今回の研究では、競技会等において実際の選手達が用いる「バタフライキックのみで泳ぎ出す」条件と「バタフライキック後にバタ足を追加し泳ぎ出す」条件を比較した結果、バタ足の追加がクロールの泳ぎ出しにとってデメリットとなることを証明した。本成果は、競泳選手のクロールのパフォーマンス向上に直接貢献できるもの。本論文はSports Biomechanics誌のオンライン版に4月27日付で先行公開された。
クロールのバタ足は、推進力獲得にはあまり貢献しないとされていましたが、本研究により、高い速度が獲得される飛び込み後や壁蹴り後の泳ぎ出しに使用した際には、デメリットとなることが示された。研究グループは今後も初期速度を保つ泳技術の発見やその評価、メカニズムの解明に取り組むとともに、泳法や指導法の改善に貢献していきたいと考えている。
本研究はSports Biomechanics誌のオンライン版で4月27日付、先行公開された。