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2020年04月27日 18:34

京町家再生プロジェクトを展開しているインテリックスは、同社が保有する京都五条坂の京町家の再生「京都五条坂プロジェクト」において、敷地内に存在している登り窯跡(道仙化学製陶所窯跡)の発掘調査を実施。調査作業を行った京都市埋蔵文化財研究所及び京都市による記者発表が、4月9日、プロジェクト現地にて行われた。

当該プロジェクトは五条坂の真ん中ほどの好立地に位置しており、敷地は奥から作陶場、登り窯、職人長屋、そして大通り(五条通)に大店(ミセ)が存在していたという、京焼の製販一貫体制が敷地と建物の関係としてほぼ残っているのが最大の特徴。その中でも シンボリックな存在である登り窯について今回、調査が行われた。

市内でもすでに4箇所しか残っていないと言われる希少な登り窯跡だが、閉窯の際に土中に埋められていた経緯から逆に解体調査に臨むことが可能となり、京焼の窯としては初めての全面調査となった。

この五条坂プロジェクトにおいては、当該登り窯の部分復旧を行い、本プロジェクトのシンボルにするとともに、残存する大店(ミセ)と作陶場を連携させたリノベーションを模索中。また、職人長屋だった部分は宿泊施設を新たに建築することにより、施設全体の事業性を確保しながら、かつての文化的遺構を残すという新たな取り組みとなっている。現在、当局と調整のうえ、策定を行っている。