2015年10月15日 08:27

県立総合技術研究所は平成18年度からシャープと共同で、光に敏感な農作物の開花にも悪影響を及ぼすことなく利用可能な防蛾照明技術を開発した。

幼虫が多くの農作物に甚大な被害を及ぼす夜行性蛾類(夜蛾類)に対しては、産卵のために圃場へ飛来する成虫をいかに防ぐかが重要となる。夜蛾類成虫の活動を抑制する防除法の一つに夜間照明(防蛾照明)があるが、これまで光に敏感な農作物では開花が遅れるなどの悪影響があるため、使用できなかった。

開発した防蛾照明技術では、ヤガによる露地ギクの被害茎率の推移周波数2Hz (0.5秒間隔)の黄色点滅光により、優れた防蛾効果と農作物への影響抑制を両立。10a当たりの消費電力は既往の40W黄色蛍光灯の約1/13となり、オオタバコガなどの夜蛾類の被害抑制効果85%以上を実現。キク、イチゴ、ホウレンソウなどこれまで防蛾照明が使用できなかった農作物にも使用可能となった。

この技術はシャープにより製品化され、来春販売予定だ。