2016年05月24日 14:27

千葉大学文学部人文学科認知心理学研究室では、画像観察で生じる感情反応や印象が、視覚の時間精度(短時間に処理できる能力)や感じられる時間の長さに及ぼす影響を調べた。

実験では、危険や安全の印象を生じるカラー画像を1秒間提示。その後、10~60ミリ秒の範囲で画像をモノクロに切替え、モノクロ画像が見えるのに必要な最短時間を測定した。その結果、危険を感じ、強い感情覚醒反応を引き起こす画像を見ると、短い時間でもモノクロ画像への切替えが気づかれた。また1秒間の長さに感じられるのに必要な時間を測定し、危険を感じさせる画像の見えている時間は、実際より長く感じられることを確認した。

これにより、危険な状況に陥ったときには、通常より早く視覚情報が処理され、事態がスローモーションのように展開するように感じることが証明された。短時間のうちに通常より早く情報を処理することができれば、生存可能性を高めることになると考えられる。