2015年12月08日 23:37

シリア北部、トルコ国境に近いアレッポ県アザーズ郡では、この1週間で戦闘と爆撃が激化。現在も稼働を続ける数少ない医療施設の業務を脅かし、国境なき医師団(MSF)の病院も閉鎖に追い込まれかねない状況となっている。

2015年6月から10月にかけて、アザーズ郡のMSF病院でスタッフが提供した診療は2万3000件、受け入れた急患は少なくとも1万1000人、外科手術は約1000件に及ぶ。しかしMSFは10月、MSFが支援する6軒の病院を含む、北部にある12の病院の爆撃被害を報じた。また、直近2週間のうちに、ホムス県ザファラーナとダマスカス郊外のエルビンで支援している病院が空爆に遭っている。

トルコのキリス市からアレッポ市への幹線道路は、アレッポ県東部への物流の要だが、爆撃の悪化で現在は人道援助提供者もほとんど通過できない。12月第1週末には、MSFもアレッポ市東部の約4万人を対象とした物資配布をやむなく中止した。