2025年10月21日 19:45

JR九州、エネコート、日揮は、博多駅ホーム上にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、10月21日より発電実証実験を開始した。駅ホーム屋根におけるペロブスカイト太陽電池を用いた発電実証実験は、国内初の取り組みとなる。
ペロブスカイト太陽電池は、現在主流のシリコン系太陽電池と比べて、軽量で厚みを大幅に薄くできるほか、曲げることも可能といった特長を有する。そのため、建物の壁面や耐荷重の小さい屋根など様々な場所への設置が可能。更に、既存の太陽電池では十分に発電できなかった室内や曇り空、日陰などの低照度な環境でも発電効率を維持できるという特長も有している。
本取り組みでは、JR九州が博多駅第2ホーム先端の屋根上に、エネコートが開発したペロブスカイト太陽電池とそのモックアップ(模型)を設置した。駅ホーム屋根は、安全面と短時間施工への配慮が必要な場所。こうした場所に日揮が独自に開発した施工法「シート工法」を用いた、安全性・施工性・軽量性を両立したモジュール(あらかじめ架台にフィルム型太陽電池を組み込んだもの)を採用したのが特徴。
発電実証実験では当面の間、ペロブスカイト太陽電池の発電状態や取り付け状態を確認し、発電量や耐久性等のデータを収集。得られたデータをもとに、ペロブスカイト太陽電池やシート工法の開発に生かすことで、次世代太陽電池の早期社会実装を目指す。