2025年10月21日 15:40

関彰商事は、伝統工芸の継承と地域文化の発信を目的に、東京オフィス(丸の内)にてクラフテリアートギャラリー企画展「うるわし漆器の世界」を11月4日より開催する。
世界が認める日本特有の漆器文化は縄文時代に起源をもち、現在に至るまで連綿と受け継がれてきた。一方で明治時代以降、国産漆の生産量は大きく減少し、全国の多くの産地では中国産漆(全体の約95%)に依存しながら、伝統的な優れた漆芸の作品制作を続けている。
本展では、茨城県内の、髹漆(きゅうしつ)で人間国宝に認定された大西勲さんの作品、その長女の大西未穂さんによる大子漆の特色を生かした創作漆芸、そして日本三大春慶塗の一つである粟野春慶塗(稲川 武男さん)を紹介する。さらに、辻徹さんによる一般家庭用食器から、金属のような質感と木のぬくもりが共存し、海外のレストランから高評価されている「錫彩漆器」と芸術的要素の入った「八溝塗」の一点物まで展示。
さらには代表的な漆芸を取り入れた各地の名工による作品として、石川県の輪島塗、岩手県の秀衡塗、沖縄県の琉球漆器を取り上げる。本展を通じて、日本独自の「器に漆を塗る」という文化が、職人の手によって実用性と芸術的な要素である漆芸を高めながら裾野を広げ、やがて世界からも高く評価されるようになった歩みを知ることができる。
会期は11月4日~28日。会場はクラフテリアートギャラリー(関彰商事東京オフィス内)。入場料無料。