2025年09月26日 09:56

NEDOは「高度循環型システム構築に向けた廃電気・電子機器処理プロセス基盤技術開発」に取り組んでおり、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)、大栄環境、佐藤鉄工と共同で、廃小型家電の無人選別システムの実証を開始する。
日本は資源の大半を海外に依存している。近年の国際的な資源需要の高まり、地球温暖化をはじめとする環境問題の深刻化から、廃製品の再利用が強く求められている。資源循環の促進が期待される中、2013年に小型家電リサイクル法が施行され、小型家電に含まれる貴金属やレアメタルなどの再資源化が期待されている。一方、リサイクルの現場では、収集される廃製品の種類が増え、さらにモバイル機器に搭載されるリチウムイオン電池によるリサイクル工場の火災が多発している。こうしたことから、リサイクル工場における手作業の負担が大きくなり、効率的な資源循環を実現する新技術が望まれている。
今回稼働するシステムは、世界初となる高度なリサイクルに向けた無人の選別システム。具体的には、スマートフォンやタブレットなど廃小型家電6品目を対象に人工知能(AI)が機種を判定し、機種に応じて最適な破砕・選別工程を施し、貴金属、銅、レアメタルの回収を行う。連続運転試験を通して、対象製品と回収素材の拡張も取り組み、廃小型家電のリサイクル技術のさらなる高度化を目指す。