2025年08月26日 19:43

日本デザインは6月より、社員の経済的安心とキャリアの安定を支援するため、定年時に最大2億円の退職金を支給する制度を新たに導入した。
この制度は、法人向け生命保険を活用したもので、一般社員でも約4000万円、成果や役職に応じたトップ社員には最大2億円が支給される設計。中小・ベンチャー企業でこの規模の退職金制度を構築するのは異例であり、「安心して働ける環境」のあり方に一石を投じる取り組みとなっている。
近年、終身雇用制度の崩壊や年金制度への不安が高まる中、企業に求められる「雇用の価値」は大きく変化している。給与や一時的な福利厚生だけでなく、「退職後の人生をどのように支えるか」という視点が、働く人々にとって重要な基準となりつつある。しかし現状では、十分な退職金制度を用意できているのは一部の大手企業に限られており、中小・ベンチャー企業では整備が進んでいない。実際、東京都産業労働局の調査によると、定年まで勤めた場合の中小企業の退職金平均額は約1091万円であるのに対し、大企業では約2230万円と、約2倍の差が存在している。
日本デザインは、こうした従来の常識に真っ向から挑戦。「社員に安心を届けられない企業が、人の未来をデザインすることはできない」という理念のもと、業界屈指の退職金制度をベンチャー企業として自ら構築。組織の規模や歴史ではなく、「本気の覚悟」と「柔軟な発想」があれば、大企業すら凌ぐ制度設計は可能だと証明したいと考える。