2025年08月26日 15:37

新米の価格が上がる今、泉大津市内40の自治会は「まとめて買って、まとめて届ける」取組を進めている。確保したのは北海道産「ななつぼし」。5kgを3750円(税込)で、各地域の自治会を通じて地域住民に提供する。

自治会共同購入が実現できた背景には、産地との持続的な連携がある。本市は、米不足や価格高騰といった不安定要因を見据え、昨年度、北海道旭川市と農業連携協定を締結した。その協定の枠組みのもとで今回供給されたのが、2024年産の「ななつぼし」。確保したお米を市民に確実に届けるため、連携協定を結ぶ東洋ライスが市内自治会と連携して配送環境を整備。各自治会は配布方法を創意工夫しながら取り組んでいる。重視したのは、安さではなく、届く仕組みの確かさ。

8月23日~30日は地域の自治会館・集会所などを開放し、来られない人には声かけや手渡しでフォロー。不在票のわずらわしさも減らすことができる。「高い」「買えない」「不在がち」。その悩みを、近所のつながりでまとめて解決する。

価格高騰だけでなく、高齢者や車に乗らない人にとっては、スーパーまでお米を買いに行く距離や重さが負担。ネット注文でも、仕事で留守がちな人には再配達の調整がむずかしい。食べ物だからこそ、置き配には不安の声もある。そんな中、まちの自治会館を開いた受け渡しや、顔を合わせての手渡しが、心の距離まで近くにし、不安をやわらげる。