2025年08月19日 16:26

三井物産は、QSimulate、Quantinuumと共同で、量子・古典ハイブリッドプラットフォーム「QIDO(キド」を開発。8月19日から提供を開始する。

創薬、材料、化学の分野において、量子コンピュータは、分子設計の精度向上を通じて、創薬や材料開発に革新をもたらす技術として期待されている。しかし、技術の成熟度、人材不足、導入コストなどの課題が依然として存在し、多くの企業ではまだ技術評価や導入可能性の検討段階にある。

材料開発におけるデジタル技術活用は、単純なデータ処理ではなく、量子力学的なミクロスケールの現象とマクロスケールの製品性能をつなぐ複雑なプロセスが求められる。このため、最先端の計算化学、量子コンピューティングの革新、AI技術を研究開発に取り入れ、仮想環境で材料特性や化学反応を再現・解析することで、競争優位性の確保が得られる。

「QIDO」は、これらの分野において、材料設計や反応解析の精度と効率を高めることで、研究開発のリードタイム短縮とコスト削減を支援するための新しいソリューション。

このプラットフォームは、QSimulateの古典計算ソフトウェア「QSP Reaction」と、Quantinuumの量子計算ソフトウェア「InQuanto」を統合している。こうした古典計算と量子計算を組み合わせたハイブリッドアプローチにより、実用性の高い古典計算と先進的な量子計算をシームレスに接続し、分子シミュレーションの高度化を実現する。