2025年08月19日 12:15

チヨダウーテの「チヨダサーキュラーせっこうボード」が、アーキテクト・ディベロッパー(ADI)の2025年着工予定の千葉県・神奈川県エリアの新築集合住宅で採用された。本製品は、製造過程で再生可能エネルギーを100%活用し、実質カーボンニュートラルを達成しており、その環境性能が高く評価され、導入された。

国内では、石膏ボードが主要な内装建材として年間約400万トン出荷されており、今後その使用量とともに解体・改修時に発生する廃材の量も増加すると予測されている。国立環境研究所の推計によれば、十数年後には廃石膏ボードの排出量が生産量と並ぶ水準に達する見通しであり、最終処分場の逼迫や温室効果ガスの増加が社会的課題として顕在化している。

現在、石膏ボード原料に占める回収石膏の使用率は約10%にとどまっている。新築工事由来の廃石膏ボードでは60~70%が再資源化されるものの、解体工事由来ではわずか6%程度しか再資源化されていない。こうした状況は、再資源化施設の不足や分別解体の難しさに起因し、資源循環の停滞と埋立依存を招いている。

こうした背景の中で、本製品は廃石膏ボードを100%原料とし、製造工程で再生可能エネルギーや木質バイオマスを活用することで実質カーボンニュートラルを達成。埋立廃棄物量とCO2排出量の双方を削減できる建材として注目を集めている。