2025年08月12日 15:39

高槻市立しろあと歴史館で、9月7日まで、武士の美を物語る名品50点以上を取り揃えた企画展「武士の美 甲冑・刀剣・鉄砲」を開催する。

日本の武具は戦場で実際に用いられる防具・武器であると同時に、武士の象徴として威厳や美しさが求められた。中でも、様々な工芸技術の結晶である甲冑、刃文や地鉄の変化を鑑賞する刀剣、鉄の高い鍛造技術に支えられた鉄砲は美術工芸品としても優れ、「武士の美」として高く評価されている。この企画展では、大名家伝来品などの華やかな甲冑、精巧に作られた刀剣、火縄銃や洋式銃といった様々な種類の鉄砲など、しろあと歴史館が収蔵する武具の名品50点以上を展示している。

見どころの一つが、江戸時代に製作され、儀式用として飾られた豪華な甲冑「縹糸威鎧(はなだいとおどしよろい)」。全体に鮮やかな紺色の威糸が使われ、籠手などには金色の装飾が施されるなど美しい甲冑が目を引く。鎌倉時代や南北朝時代の武士を理想像とし、その再現をめざした「復古調」の様式を採り入れたもので、源平合戦や太平記に登場する武士の姿を再現。こうした復古的な甲冑は、儀式の場において大名家などの威厳を示す存在だった。

刀剣では、南北朝時代に活躍した刀工・長谷部国重の短刀をはじめ、高槻藩士の子孫から寄贈された高槻ゆかりの刀「筑前国福岡住是次」などを展示。鉄砲では、「摂州住松本宇兵衛作」と銘文のあるものをはじめ、大阪府の堺で作られたものを紹介する。詳しくはこちら