2025年07月08日 15:57

ワエストロは、既存保有特許「離型剤レス製法」をブラッシュアップした新たな技術で特許を取得した。
ウレタン樹脂は接着性が強い樹脂であることから、成形の際には金型表面に離型剤の塗布が必須。この離型剤は、製品表面に離型剤が残るため後工程で除去する手間がかかり、金型表面にも積層されていくためメンテナンスが必要になるという課題があった。
これまではABS樹脂溶液を離型剤の替わりに金型へ塗布し、ウレタン樹脂の表面にコーティングすることでこのデメリットを解消。副産物として「ウレタンメッキ(特許第5618282号)」技術で意匠面の向上にもつなげてきた。しかしABS樹脂は伸びの特性がないため、軟質ウレタンには追随することができない。硬質ウレタンに特化した技術となっていたため、新たな技術開発に取り組んできた。
今回の「新・離型剤レス製法」は、伸びのある熱可塑性エラストマー溶液を離型剤の替わりに金型へ塗布する。それにより、注型されるウレタン樹脂の表面を伸びに追随する物性を持つ樹脂でコーティングされた状態で成形される。
軟質ウレタンでも大幅な後工程削減およびコストダウンを図ることができ、金型メンテナンスをも不要にすることが可能になった。当然硬質ウレタンやエラストマーなどにも応用できることから、自動車・二輪の量産向けの新工法だけに留まらず、医療機器、介護福祉用品、産業機械、住宅設備など幅広いものづくりの領域で導入が期待される。