2025年07月03日 19:00

アンリツは、人が直接においをかぐ官能検査を自動化する「におい検査機」を、7月1日より一般販売する。

製品の開発や生産現場では、現在においても官能検査が一般的。加えて、これまでにおい分析に使われてきた「ガスクロマトグラフィー」は臭気の成分を特定できる一方、微妙なにおいをかぎ分けるには限界があるとされてきた。アンリツの検査機は成分を分析するものではないが、においの違いを簡便に可視化できる利点がある。これにより、生産工程の検査員の負荷軽減、人員不足の解消、品質の安定化に貢献する。

人の嗅覚は、400種類の嗅覚受容体がにおいに含まれる化学物質のパターンを認識することで、においの特徴を記憶するとされている。一方、検査機には人の嗅覚受容体に相当するにおい吸着膜が40種類あり、それぞれの膜ににおい分子が付着すると、各センサの周波数が変化。その40種類の変化を捉えることで、においの識別が可能となる。さらに、AIを駆使して高次元データを変換し、評価軸に表すことでにおいを可視化する。

検査機には6本のガラス瓶が装着されており、最大で6サンプルの検査ができる。1サンプルは1回3分で測定が可能。また、AIによる学習機能を使い多数のデータを集める場合は、付属のソフトウエアで測定回数を設定することにより、効率的な自動測定が可能になる。測定結果は、即時に解析用のアプリにアップロードされ、AIによる解析で分別や類似度の判定を行うことができる。