2025年07月02日 15:58

日本空港ビルデングは、新日本海フェリーと共同して、室内温度の低下と環境負荷の低減を目的に放射冷却素材「Radi-Cool(ラディクール)」を、12月に舞鶴-小樽航路に就航予定の新造船「けやき」に導入する。
「Radi-Cool」は太陽光を反射し、自然現象の放射冷却を用いて室内の熱も放射することで、エネルギーを使わず室温を下げられる地球環境にやさしい製品。2024年冬期に新日本海フェリー既存船4隻(「はまゆう」「それいゆ」「らべんだあ」「あざれあ」)のスポーツルーム、BBQルーム、操舵室に、放射冷却素材「Radi-Cool」の塗料と透明フィルムを導入。直射日光を浴びる船舶での温度検証(遮熱効果・放射冷却効果)を開始した。その結果、施工前後での温度低減が見られたことから、この度新造船に導入する運びとなった。
近年、造船業界においては、新造船需要が低迷する中、中国や韓国を中心に造船所の大型再編が進み、競争環境は厳しさを増している。
一方で、今後は船舶建造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)等の有害物質や、航行時に排出される温室効果ガス(GHG)の削減といった環境面での対応が従来以上に重要な要素となり、各造船所の競争力を大きく左右するようになるものと考えられる。同社では、今後も利用者、従業員の快適性の向上と環境負荷の低減に向けて、研究を進めていく。