2025年06月23日 16:04

日本精工(NSK)は、 生成AIを活用した品質トラブル参照アプリケーションを開発し、6月から運用を開始した。生成AIを本格的に活用した社内向けアプリケーションを開発したのはNSKとして初。今回自社開発し、運用を開始したのは、蓄積された品質トラブルデータのグラフによる可視化と生成AIを用いた要約機能を備えた、社員向けアプリケーション。
従来の品質トラブルデータは、専用のデータベースやレポート形式で管理されていたが、データ自体も定まった形式を持たず専門性が高く、因果関係を読み解くことが難しい状況だった。
同社では製品開発時や工程設計時、その検証の際に生じた品質トラブルやノウハウに関するデータをテーブル構造で蓄積する取り組みを推進してきた。今回のアプリでは、例えば製品開発時のリスク要因を社員が調べる際、グラフによる可視化と生成AIによる要約文が提示される。これにより、個々の社員の製品や業界に関する専門用語の知識レベルに依存することなく、誰もが調べたいデータに容易に到達。かつ情報要約の生成まで約30秒で完了できるよう設計している。
運用のスタートにあたり、6月より、約4000件の品質トラブルデータが詰め込まれたアプリを設計・製造・品証メンバーを中心とした国内5000名以上の社員に提供した。今後、営業・物流メンバーなどNSK製品のライフサイクルに関わる様々な分野の社員にも提供・利用者を拡大する。