2025年04月16日 12:52

大林組は、国土交通省中部地方整備局発注の新丸山ダム建設工事(岐阜県)にて、コンクリート運搬に使用するケーブルクレーンの自動・自律運転を2月に成功した。これはダム建設における「自律型コンクリート打設システム」確立の第1段階となる。

新丸山ダム建設工事では、2023年12月にバックホウやダンプトラックなど10台の建設機械の自動・自律運転による盛土施工の実証実験で、無線通信規格にローカル5Gを採用した。今年2月には、ケーブルクレーンの自律運転システムを構築。ローカル5G環境下で、従来、オペレータとコンクリート放出地点の合図者が連携して行うクレーン操作の自動・自律運転を実現した。

本システムは、ケーブルクレーンのフックやトロリーに無線端末を設置することで、揺動を瞬時に検知し、自動で抑制する。その結果、オペレータの熟練度によらない、安定した工事の進捗や品質の確保が可能になる。本実証では自動・自律運転に耐えられる高速通信であること、天候影響が少ないこと、そして一般的な水平方向だけでなく、100mを超える高低差のある立体的なエリアでも安定した通信であることを確認。順次、活用範囲を拡大している。

今後は高解像度の映像をタイムラグがなく、確認できることを活用し、AIを使った運転制御やコンクリート量の計算など新丸山ダム建設工事でのさまざまな工事プロセスへの活用にも取り組む。