2025年03月14日 19:33

AiRato(アイラト)が東北医科薬科大学の協力のもと行った頭頸部癌(咽頭癌)の放射線治療計画に関する実証試験の結果が、国際学術誌「Cureus(キュリアス)」においてケースレポート論文として公開された。本研究では、AiRatoが開発したAI放射線治療計画支援ソフトウェア「RatoGuide(ラトガイド)」を活用し、患者1名の治療計画策定における効率性・精度向上が示された。
頭頸部には多数の重要臓器が密集しているため、周辺組織への副作用を抑えつつ腫瘍を的確に照射するには高度な治療計画が必要となっている。AiRatoが独自に開発している「RatoGuide」では、画像解析技術と機械学習を活用し、医療現場の専門家のノウハウを組み込んだ自動プランニングが可能。
「RatoGuide」の活用により短時間かつ正確な線量での治療が可能となり、今回の実証試験では、患者への照射リスクを最小限に抑えつつ、腫瘍コントロールの最適化が期待できる結果が示された。頭頸部癌の治療計画はこれまで医師の経験や技術に大きく依存していたが、AIの支援により再現性が向上し、より多くの患者に質の高い治療を提供できる可能性が広がる。
今後は、頭頸部癌に限らず肺癌や前立腺癌など他の癌領域への展開も視野に入れ、「より多くの安全で有効な放射線治療を提供することで、ひとつでも多くのがんを治療し、患者ではなく生活者として生きられる世界」を目指す。