2025年02月27日 15:36

鹿島は、道路橋の床版取替工事におけるプレキャストPC床版の3Dモデル自動生成システムを開発した。
高度経済成長期に整備された国内の道路橋の多くは、供用開始から半世紀以上が経過しており、各地で床版取替工事が進められている。床版取替工事のプレキャストPC床版は、運搬および架設時の制約から橋軸方向に約2mごとに分割されており、道路線形と鋼上部工の形状の関係から1つ1つの形状が少しずつ異なる。また、供用中の床版の現況と図面にずれが生じていることも少なくないため、図面の修正を容易に何度でも行うことができるシステムが求められている。
本システムは、道路線形(道路全体の座標、長さ、角度)や、プレキャストPC床版に必要な部材である鉄筋などの数値情報を入力するだけで、プレキャストPC床版の3Dモデルを生成。部材同士が干渉しない配置を自動生成できる。
また、鋼桁の数値情報を入力することで、生成した3Dモデルに反映させることも可能。さらに、生成した3Dモデルに、床版取替前の3D測量点群データを取り込むことで、現況と設計値のずれを容易に把握。従来は膨大な時間を要していた設計的なシミュレーションを、数値の再入力だけで何度でも、短時間で行うことが可能になった。
本システムを「阪和自動車道(特定更新等)雄の山第1橋他16橋橋梁更新工事(設計業務その1)」に適用した結果、熟練のCADオペレータが手作業で実施していた繰り返し検討の時間が1/10程度になった。