2025年02月25日 19:51

住友林業が設計・施工した東京農業大学世田谷キャンパスの学生寮「青雲寮(せいうんりょう)」が竣工し、25日に同大が落成式を開いた。
同大 農友会 陸上競技部の長距離ブロック(男子)は、箱根駅伝に通算70回出場した実績がある。木には心理的ストレスの緩和効果や調湿・抗菌作用があり、木の特性を活かして学生が心身ともに安らげる快適な空間をつくった。
木材使用量は約300m3で、そのうち約7割は国産材。国産材の約3割は学生が林業の研究や実習で利用している奥多摩演習林で伐採した。外壁、食堂の柱・梁、階段に奥多摩演習林の木材を用い、学生が木材の生産~加工~利用過程を体感できる。純木造の「青雲寮」の炭素固定量は316.874トンCO2e bio(CO2ベース)と試算。
住友林業の企業内研究機関「筑波研究所」は木の総合的な活用を目指し、「木」や「緑」のもつ機能や特性、それらが心身に与える効果を研究している。これまでに「木」は視覚(見た目)、触覚(触り心地)、嗅覚(香り)から得られる刺激を通してリラックス、疲労軽減、免疫力向上の効果があると分かっている。
今回は同大の協力のもと、8月から12月にかけて「青雲寮」で床の硬さ、光、温湿度、香りや寮生の心理的・生理的な状態を測定。既存のRC造の学生寮と比較して「木」が心身の健康、競技パフォーマンスなどに与える効果を検証し、結果は2026年に発表予定。