2024年11月08日 13:08

琵琶湖博物館ではこのたび、日本各地にある、身近な生物の死を悼んだ「生き物供養碑」の調査を実施。滋賀県にどのような生き物供養碑が建てられているか、どのような碑文が抱えられているかを調査する。

日本では遅くとも江戸時代以降、家畜や魚類・虫など、身近な生き物の死を悼み、感謝や哀悼の意を込めて石碑をつくり、弔ってきた。これは世界でも例のない文化。全国の「生き物供養碑」を調査した東海大学の田口理恵さんによると、1141基もの「生き物供養碑」が各地に建てられている。また、国文学研究資料館の相田満さんらによる調査結果はインターネット上で公開されているが、滋賀県内の事例として約50基が報告されている。

例えば滋賀県醒井養鱒場には、放流事業開始以降犠牲となった小鮎の霊を慰めると同時に、小鮎族の永劫の繁栄と日本の水産資源の開発に貢献しうることを祈願して「小鮎塚」が建てられた。ただ、いまだ紹介されていない「生き物供養碑」がほかにもあると思われる。

琵琶湖博物館では、「地域学芸員」に相当するフィールドレポーター制度を設け、身近な自然や暮らしに関する調査を行っている。2024年度の登録者数は210名であり、令和6年度フィールドレポーターの活動として、「生き物供養碑」の調査を実施することとなった。また「ここにはこんな生き物の供養碑がある」といった情報も募集中。詳しくはこちら