2024年09月02日 19:44

高槻市では市内小学校の1年生を対象に、同市産の木材で製作した将棋駒の配布と棋士による出前授業を行っている。9月2日、高槻市立大冠小学校で今年度初めてとなる出前授業を実施した。

高槻市は、かつて武家屋敷が広がっていた高槻城三の丸跡から江戸時代の小将棋や中将棋の駒が多数発掘されるなど、古くから将棋との関わりが深い。そこで、将棋を通じて文化振興を図るため、平成30年9月に自治体として全国初となる日本将棋連盟との包括連携協定を締結した。

令和4年度からは、児童に将棋に親しんでもらい、日本古来の伝統文化への理解を深めてもらうことなどを目的とし、日本将棋連盟所属の棋士による出前授業を実施。今年度の出前授業が9月2日、市立大冠小学校で同市にゆかりのある棋士、浦野真彦八段を講師にスタートした。

この日の授業では、担任の先生が、将棋駒は高槻の森林の風倒木や間伐材で作られていること、豊かな自然環境を作る森は生活に欠かせない大切な存在であることなどを児童に伝える「木育」を実施。続いて、浦野真彦八段が教室に登場。「箱の中に入っている将棋駒に触れてみましょう」と話すと、児童は箱から将棋駒を丁寧に取り出して、手に取ったり鼻に近づけたりして木でできた将棋駒の感触やにおいを体感した。その後、ペアになって「山崩し」を体験し、将棋の礼儀作法を学んだ。今後は来年1月頃まで、順番に各学校で出前授業を行っていく予定。