2024年08月30日 16:01

鹿島は、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を正確に算定するシステム「Carbon Foot Scope(TM)」を、ゴーレムと共同開発した。

本システムの最大の特長は、建築部材だけでなく、従来は難しかった構成部材が数万点にも及ぶ設備機器のCO2排出量も正確に算定できること。工事見積内訳書などの既存データを取り込むことで、建物を構成する建築部材や設備機器の一つ一つをAIが自動で分類し、所定のCO2排出原単位と紐付け。AIの機械学習には、鹿島グループが長年の建物ライフサイクル評価で培ってきたノウハウやデータを活用している。

本システムを用いることで、建物を構成する建築部材や設備機器毎のCO2排出量を正確に把握できるため、より具体的なCO2排出量削減プランの検討が可能となる。さらに、本システムの算定性能を活かして、複数パターンのケーススタディを短時間で行うことができるため、顧客にとって合理的かつ経済的なプランを複数提案することができる。

今般、本システムを同社の施工物件4件に適用した結果、専門知識を有する技術者と同水準の正確性をもって、建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定できることを確認した。さらに、中規模物件(S造、地上13階建て)に適用した例では、算定に要する時間を従来の人手による算定に比べ約8割削減できた。