2024年07月31日 15:42

コクヨは、立命館大学 産業社会学部 岡本尚子准教授と共同で、「紙のノートとデジタル端末であるタブレットの筆記における記憶効果の比較実験」を実施。媒体の違いが記憶と生理指標に与える影響を調べた。

義務教育においてICTの活用が浸透しつつある一方、紙のノートは「書いたことを覚えていられるか・定着しているか」「目の疲れにくさ」「書き込みやすさ」などの満足度が高いことがわかっている。しかし、それが日々の学習などに及ぼす影響については、十分な検証がなされていなかった。そこで今回、筆記による暗記学習において、紙がデジタル端末と比較して記憶への効果があるかを、「成績評価」「主観評価」「生理計測評価」で検証した。

その結果、「成績評価」では、メモ・暗記学習 直後の暗記テストは、タブレットに比べてノートのほうが22%、2.5か月後に実施した復習後の暗記テストも、ノートのほうが20% 得点が高くなった。「主観評価」でも実験後のアンケートでは、タブレットに比べてノートのほうが「見返しやすさ」で24%、「覚えやすさ」で28%高く評価された。「生理計測評価」においても、見返しおよび筆記による暗記学習において、タブレットに比べてノートの方がリラックス度が高く、ストレス度が低くなった。

タブレットに比べノートの方が、記憶への高い効果が得られること、「見返しやすさ」「覚えやすさ」に加え、脈波で測るリラックス度合いとストレス度合いもノートに有意な差があらわれることが明らかになった。