2024年07月05日 15:36

岐阜県飛騨市では、消防操法大会のあり方を検討した結果、飛騨市消防操法大会を昨年度で最後とすることを決定。実践的な消防訓練に特化した新たな訓練会を開催した。

新たな訓練会は、タイムの測定や順位を決めるような競技性をなくし、安全配慮や操作技術、機材保護といった、より実戦的で基本的な面を重視した。訓練が行われたのは6月16日。狭あいな住宅密集地で火災が発生し、消防ポンプ車が現場に近寄れないとの想定で訓練を実施した。

火点から離れた場所に消防ポンプ車を停め、消火活動の障害となる建物をう回しながらホースを延ばし、2階建ての住宅の1階部分と2階部分の火点に放水。消防ポンプ車を保有する市内の5つの分団が参加し、6人1チームで訓練を行った。

参加した団員らは、それぞれの判断で活動を工夫したりアクシデントに対応しながら訓練を実施。建物破壊の可能性も考えて鳶口を用意したり、状況に応じて水圧を調整するなど各分団ごとのやり方で訓練にあたった。訓練の様子終了後は、評価者と団員が車座になって振り返りも行い、減点方式ではなく良かった点を中心に講評したり、参加者からも工夫した点や反省点などの意見を聞いた。

今回の訓練会に係る訓練日数は、月2回~3回と昨年までの操法大会練習(最大週4回)と比較して大幅に減少。団員からも「以前は心や体や家族の負担が大きかったが、練習回数が減り、今後はストレスなく有事に対応できると思う」といった意見が聞かれた。