2024年05月10日 12:18

日比谷アメニスの「Toptex」が、「林野庁林業成長産業化総合対策補助金等「地域内エコシステム」技術開発・実証事業」に採択。2021年度から2023年度の3年間にかけて実証を行い、木質バイオマスの乾燥・保管効果を確認した。

近年、木質チップの需要量が増加しており、品質の高い燃料材を供給するための「乾燥」が求められている。燃料材の「乾燥」は、エネルギー量の増加につながるため、燃料としてのチップの使用量の減少につながる。また、木質チップの需要増加に対応するには未利用材(剪定枝や林地残材等)を利用することも重要であり、未利用材をチップとして乾燥することで品質向上、高価値化につながる。

一方で、供給量と需要量は通年で一致することはなく、供給者・需要者が木質チップを在庫として「保管」しておくことも必要。この「乾燥」「保管」を、建屋の設置等のコストをかけずに行うには、一般的な丸太の自然乾燥に加え、木質チップの屋外自然乾燥を行うことが重要となる。

乾燥を行うには熱源が必要だが、木質チップの堆積山は微生物による働きにより、底部から発酵熱が生じる。最下部から熱された内部空気は上昇気流に乗り堆積山の上部から流出されるに伴い、堆積山内部に外気が入り込むことで自然対流が生まれ木質チップが乾燥する性質を持つ。

「Toptex」は透湿防水性を持つシート。外部からの降雨の侵入を防ぐとともに、内部から熱された空気を放出するため、発酵熱を利用した屋外における乾燥を可能にする。