2024年03月14日 12:56

大林組は、大阪防水建設社、富士化学と共同で、製造時のCO2排出量を約60%削減することが可能な低炭素型地盤改良用グラウト材「Infill Hard Geo(インフィルハードジオ)」を開発した。

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、建設業界では建設資材の脱炭素化を進めている。3社は地盤改良・液状化対策の脱炭素化を目指し、天然由来のコロイダルシリカを使用した低炭素型地盤改良用グラウト材の共同開発を進めてきた。

天然由来のコロイダルシリカは、地熱発電で利用される熱水中のシリカ粒子と不純物が結合し、個体(スケール)となったもの。発電設備の揚水用配管に付着し発電効率を妨げることから、定期的に除去・回収されていた。回収したコロイダルシリカは、これまで化学製品や鋳物などの用途で使われてきたが、さらなる用途の拡大が期待されている。

本技術ではグラウト材に使用されるコロイダルシリカを工場生産から天然由来のものに置き換えることで、同等の性能を保ったまま、製造時のCO2排出量を約60%削減する。また従来製品と同等の性能を発揮し、同程度のコストで製造が可能。

Infill Hard Geoは、構造物やタンクなどの基礎の耐震補強、港湾や河川構造物の液状化対策で使用することができ、これまで3件の施工実績がある。今後、施工を大阪防水建設社、製造・販売を富士化学の体制で外販も行う予定。