2024年03月14日 12:48

ISTは、ペロブスカイト太陽電池研究のパイオニアである桐蔭横浜大学の宮坂研究室と、透明ポリイミドを用いたペロブスカイト太陽電池に関する共同開発に着手した。

環境問題や気候変動への懸念が高まる中、クリーンで持続可能なエネルギー源の需要が急速に拡大。このニーズに応え、ペロブスカイト太陽電池が注目を集めている。ペロブスカイト太陽電池の発電効率向上には200℃以上の高温処理が必要。しかしこれまでの課題として、既存製品のPETフィルム基板を用いた場合耐熱性が不足し、十分な性能を発揮できなかった。

そこで同社は、自社開発の新素材TORMED(R)(トーメッド)の特性を活かし、この課題の克服に挑戦することにした。透明ポリイミドロールフィルム「TORMED(R)」は、ポリイミド樹脂フィルムが持つ高い機能性と、透過性を備えたことにより次世代の様々なものづくりに対応する新素材。全光線透過率88%以上で、300℃を超えるガラス転移温度、耐屈曲性の高さ、酸・アルカリ、各種溶剤に対する耐性などの特性を持つ。

宇宙でも使用されるポリイミド樹脂で製造されたTORMED(R)を基板にした場合、高温処理に耐えることが可能となり、ペロブスカイト太陽電池の性能向上が期待される。同社は宮坂研究室との共同研究を開始し、TORMED(R)と先端の技術を組み合わせることで、発電効率と耐久性に優れた次世代フレキシブル太陽電池の開発を目指す。詳しくはこちら