2024年01月18日 16:16

レゾナックは、旧昭和電工と旧日立化成が過去蓄積してきたデータや文書を、生成AIにより対話形式で活用できる社内システム「Chat Resonac」を構築した。
同社の基盤である旧昭和電工と旧日立化成には、それぞれ100年ほどの歴史があり、その変遷の中でさまざまな材料開発、製造等に関する資料が1社で5万点以上蓄積されている。これらの資料はベテラン社員なら紙のファイルやデータベースを検索して探し出すことで利用できるが、若手社員などは資料の存在自体を知らずにアクセスが困難なケースも多い。またベテラン社員が退職したあとは、これらの資料が未活用文書となるリスクがある。
そこで同社では、生成AIにより社内の資料を対話形式で活用できるシステムChat Resonacを構築した。社内資料を外へ漏洩しない環境へ取り込み、またベテラン社員からのデータ提供や回答へのフィードバックを組み込んだ。社内資料に特化したChat Resonacアプリケーションとして、回答精度を向上させた。手書き文書をOCRでデジタル化して取り込む際も、生成AI技術を活用した誤字脱字修正機能を組み合わせることで高精度化。社内で展開している電子実験ノートなどのデータも活用することができる。
これにより、社員の世代間の橋渡しに加え、旧所属部門の枠を超えた情報活用や交流も可能に。Chat Resonacを使い、材料の組成や分析データなど欲しい知見を参照し、さらにその知見を持つ社員にコンタクトして繋がることができる。