2023年12月22日 15:38

東大発スタートアップSOELは、「建設現場のゼロカーボン化」「より簡易で安全なオフグリットエネルギー調達」を目指し、奥村組と共同で11月より実証実験を開始した。SOELが保有するローラブル太陽電池を活用し、事務所や現場詰所スペースである仮設コンテナの電力代替からスタート。その他の現場におけるユースケース開発を行っていく。

SOELでは、従来太陽電池の素材を使った軽くて曲がる太陽電池「ローラブルシリコン太陽電池)」を開発している。現在「ぺロブスカイト」など折り曲げられる太陽電池素材の開発も進んでいるが、現時点での実用性の観点(発電量や耐久性など)から従来太陽電池に着目。樹脂の構造を工夫することで「曲がる・軽い・持ち運べる」形状を作り出すことに成功した。

建設現場には、砂防工事や高速道路工事、災害復旧工事など、通常の電力調達が困難であるオフグリッド環境の現場も多く存在している。現在、ディーゼル発電機を用いての電力調達が主となっているが、騒音問題やCO2排出による環境汚染が問題。建設現場の過酷なオフグリッド環境でも安定的かつクリーンな電力調達は喫緊の課題となっている。

2024年3月までに、建設現場での必要電力に応じた太陽光パネルの適正設置数・安定電力量算出と、より簡便なアタッチメントの開発を目標に現場検証を進める。加えて、建設現場におけるさらなるユースケースの探索を、奥村組と共に一緒に検討していく。