2023年12月21日 09:04

DATAFLUCTは、東武鉄道の特急券の需要を、機械学習と外部データによる自動需要予測が可能な「Perswell(パースウェル)」を活用して予測する。

東京と日光・鬼怒川エリア等をつなぐ東武鉄道の特急では、紅葉シーズンなどの繁忙期には満席も多く発生している。運行本数を増やすことや車両の増結で輸送力を増強できるが、過去の実績や担当者の推計による運行計画だけでは、需要と供給にギャップが生じるケースもある。この課題に対し、DATAFLUCTと東武鉄道は「Perswell」を活用して列車ごとの潜在需要を可視化し、運行計画に反映することを目指して6月~9月にかけて実証実験を行った。

東武鉄道は、関東の私鉄としては最大の路線距離を持ち、通勤・通学や観光の足として人々の暮らしに欠かせない存在。特急列車による観光やビジネスの旅客輸送を充実させていることも特長のひとつで、2023年には新型のフラッグシップ特急「スペーシアX」を導入し、観光需要の喚起とカーボンニュートラルな運行を牽引している。

実証実験では、最長14週間後の潜在需要数を30分単位で予測し、運行日の一定期間前に決定する必要がある「増便等の判断」にも実用的に利用できる精度の予測結果を実現した。予測結果にもとづき通常3両編成の特急を6両編成にすることで、通常より600名以上多くの人に特急列車を利用することができた。今後は、2024年5月の本番導入に向けて開発を進める。