2023年12月20日 15:58

新潮社より、実話&秘話満載のお仕事コミック「くらべて、けみして 校閲部の九重さん」が刊行された。本作は、至宝の校閲秘話から生まれた変態的情熱溢れるお仕事コミック。
文芸版元としてまもなく創立128年を迎える新潮社の歴史は「校正」から始まった。長い歴史の中で幾多の文豪、名だたる小説家・文筆家らとのやり取りを経てきた新潮社校閲部は、トップクラスの校閲集団として出版業界では知られている。変態的ともいえる才能を持った校閲者たちから門外不出の校閲技術と唯一無二の経験、そして本作りにおける秘話を著者・こいしゆうかさんが聞き出して生まれた、「本の裏方」の世界を描く作品となっている。
本作は、何十名もの現役校閲部員や鬼才・奇才のレジェンドOBたち、さらに数々の名編集者らから聞き出した実話がベースになっているのが特徴。実在の著者とのゲラのやり取り、悪筆過ぎる直筆原稿の解読、辞書よりも大事な校閲者の心得、誤植の怖さ、パタパタという謎めいた作業の意味等々。文芸校閲者のリアルな日常が主人公の九重さんを通して描かれている。
普段ほめられることはなく、陽の当たることのない縁の下の力持ち――それが校閲。ひとつの言葉、ひとつの表現にこだわる日本語のプロとして本作りに欠かせない校閲者たちは、個性豊かな文芸作品とどう向き合っているのか。歴史ある文芸版元だからこそ知り得た作家とのエピソードや秘蔵の校閲あるあるを楽しめる、校閲者の日常物語。定価1265円(税込)。試し読みはこちら。