2023年12月04日 19:43

鹿島建設と東洋テクノは、このたび、300m超の超高層ビルを支える大口径の場所打ちコンクリート拡底杭工法「Earth-LEX(アースレックス)工法」を共同開発した。Earthはアースドリル工法、LEXはLarge Expansion(大きな拡底)の略。
近年は、建物の高層化・大スパン化により柱にかかる荷重が増大。従来から広く使われている直径が4800mm以下の拡底杭では必要な支持力を確保できず、設計が困難となるケースが増えている。この場合、異なる高支持力杭工法を採用することになるが、新たな資機材が必要になるなどコストアップや工期延長につながるといった課題があった。
「Earth-LEX工法」は、今回開発した国内最大の拡底バケットを使用。従来より広く使われている、直径が4800mm以下の拡底杭を築造する工法と同じ施工方法で、直径6100mmの拡底杭を築造できる。なおかつ、これまでの拡底杭工法と比較し先端支持力で1.6倍、最大100MNクラスの高支持力を実現する。
解析により拡底部の健全性が確保できることを検証するとともに、施工実験により掘削時における土砂の崩壊リスクがないことを確認した。本工法は2022年8月、日本建築センターの評定(BCJ評定-FD0619-01)を取得。今後、鹿島と東洋テクノは、本工法の採用を進め実績を重ねるとともに、施工性のさらなる向上やコスト低減に向けた検討を進めていく。