2023年10月27日 12:52

世界遺産アカデミーは、2024年7月開催「第56回世界遺産検定」より新設級の準1級の試験を実施する。
「世界遺産検定」は、ユネスコの理念を知り世界遺産活動の輪を広げることを目的に、世界遺産アカデミーが主催する文部科学省後援の検定。2006年の第1回検定以来、35万人以上が受検、20万人以上が認定されている。年4回、全国の主要都市で開催しており、現在は4級、3級、2級、1級、最上級のマイスターの5つの級に分かれているが、2024年7月の「第56回検定」からは準1級が新設される。
2級の試験範囲が日本の全遺産+世界の代表的な遺産300件である一方、1級は約1200件の全遺産が範囲となっており、世界遺産学習を継続するうえでこの差がハードルになっているという意見が、受検者・学校関係者より以前からあった。平均認定率も2級が60%前後であるのに対し、1級は30%前後と大きな開きがある。このギャップを埋め、人々が世界遺産の学びを続けていきやすい環境を創るべく、日本の全遺産+世界の遺産700件を学ぶ準1級の新設を決定した。
準1級ではこれまでとは少し切り口を変えて、「海賊」や「文学」、「無形文化遺産」、「映画」などをテーマに、多くの遺産が対象でも各々の興味から楽しく勉強に取り組める工夫をしている。ニュースにも頻繁に登場する「観光課題」「戦争・紛争」といったテーマも取り上げており、テキストのキャッチコピーに付けた通り「ふみこんで学ぶ」ことができる級だ。
準1級試験は、2024年7月開催「第56回世界遺産検定」より実施。