2023年10月20日 19:33

TOPPANホールディングスが運営する、印刷博物館では、11月18日より「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」展を開催する。

小川一眞は、写真が社会に広まっていった明治期に活躍した写真師の一人。旧千円紙幣に使われた夏目漱石の肖像など、多くの人が一度は目にしたような写真を撮影した。小川の活動においてほかの写真師と異なる点は、写真製版によってたくさんの印刷物を製作・出版したこと。新聞、雑誌、書籍などがメディアの中心であった明治時代において、とりわけ写真が入った印刷物は大きな役割を果たした。

本展覧会では、小川が導入した2つの写真製版技術である、コロタイプ印刷と網目版印刷で製作した印刷物を中心に、約100点の資料を紹介する。小川一眞はアメリカに渡り、最新の写真術と印刷術を学び、帰国。そして1889年10月に創刊された日本で最初の美術雑誌「國華」の写真図版をコロタイプ印刷で手掛け、これが日本における写真製版印刷の本格導入となった。その後も各方面からの依頼を受けて、多くの写真集をコロタイプで印刷、出版した。

本展では、写真製版が印刷をどのように変えたのか。近代日本における視覚メディアの発展と視覚文化の形成に、いかに小川が大きな影響を与えたのか探っていく。会期は11月18日~2024年2月12日。会場は印刷博物館。入場料は一般500円、学生300円、高校生200円。詳しくはこちら