2023年06月23日 15:49

日立GLSは、 循環型モノづくりのさらなる推進に向けて、「ガラス研磨システム」を新たに開発した。ガラスドア冷蔵庫を製造・販売している日立GLSでは、リサイクル処理におけるガラスドアのガラス板を、効率よく分離、研磨し、再資源化をめざすための研究開発を進めている。2021年11月には、「冷蔵庫ガラスドア分離装置」を開発した。
この装置では、ガラスドアをドア部分とガラス板に分離することで、ドア部分に使用されているプラスチックや金属などの再資源化を可能にした。一方で、ガラス板については、塗料などが付着していたため、ガラス素材として再資源化することが困難で、路盤材など別素材として利用していた。
「ガラス研磨システム」は、このガラス板を研磨して付着したウレタンや塗料などをきれいに除去することができる。複数の回転ブラシでガラス板の表面を研磨して、付着物を除去する「表面研磨方式」を採用。ガラス板の投入角度やブラシの回転などを組み合わせて研磨することで、ウレタンや塗料などの付着物を除去する。また回収された冷蔵庫は、それぞれガラス板の幅が異なっており、幅が広いガラス板では付着物が残りやすい傾向にあった。しかし、さまざまな幅のガラス板に対応できるように、回転ブラシを段階的に設置して付着物を除去する構造になっている。
これにより、同じガラス素材としての利用(水平リサイクル)が可能になり、分離したガラス板の用途が広がった。このシステムは7月上旬から稼働開始し、本格稼働後もさらなる改良を進めていく。