2023年05月16日 19:27

テムザックは、人と共存しながらより実用的な業務を遂行する「WORKROID(ワークロイド)」の開発を重ねている。宮崎県延岡市にて、ロボット技術を用いて省力化を追求する「WORKROID農業」を開始。その取り組みの一部として、水田における雑草抑制&遠隔監視ロボット「雷鳥1号」(プロトタイプ)を新たに開発し、実証用の水田に投入した。またドローンによる播種作業の実施や、水管理システムの運用もスタートした。
米は日本の数少ない食料自給品目だが、農業従事者の最も多い割合を占めているのは75歳以上(2020年時点)。高齢化・担い手不足、そして耕作放棄地の拡大に歯止めがかからない状況の中、省力化・省人化に向けた技術革新が必須となっている。
このたび開発された「雷鳥1号」は、田んぼの雑草抑制・遠隔監視をするロボット。α版は自律航行型で、水を攪拌して泥を巻き上げることで光合成を防ぎ、雑草の生育を抑える機能を備えている。単純な動き(例:前進→右旋回→前進→左旋回)をランダムに行うようプログラミングしており、複数台を同時に稼働することで効率的に隅々まで撹拌することが可能。β版は遠隔操作型で、離れた場所からカメラ映像を見ながら遠隔操作し、水田の様子を確認することができる。
テムザックは、米粉用稲作から米粉の流通までを一気通貫で行うことができる省力化農業を確立し、全国に広めていく。それにより、耕作放棄地拡大を食い止めること、そして日本の食料自給率維持、食料安全保障への貢献を目指す。