2023年03月31日 12:36

ミサワホームは、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所より2022年9月に受注した「夏期隊員宿舎」の国内における仮組み立て工事ならびに施工検証を終え、引き渡しを実施した。
国立極地研究所は、南極圏と北極圏に観測基地を擁し、極域での観測を基盤に総合研究を進めている。南極地域観測事業においては、日本の南極地域観測計画の企画立案と実施、基地施設の維持管理、観測隊の編成準備、各種訓練、観測に必要な物資の調達、搬入計画の作成、観測で得られた試資料の収集、保管など、南極地域観測事業の実施中核機関として事業全体の運営を担っている。
ミサワホームは1968年の「第10居住棟」から、これまで累計36棟の建物を納品し、その建設のサポートをおこなってきた。累計37棟目となる新たな「夏期隊員宿舎」は、地上3階建の混構造(1階:鉄骨、2・3階:木造)で床面積855平方メートルは昭和基地で最大の建物となる。現在、昭和基地では2021年11月30日に決定した南極地域観測第X期6か年計画に基づき、老朽化した施設の撤去と基地主要部の再構築に向けた取り組みなどが進められている。今回極地研に引き渡しをした「夏期隊員宿舎」は、11月に出港する南極観測船しらせで第1期工事部材が昭和基地へ運ばれる。3年後に竣工予定で、当面は倉庫として利用、その後は宿舎として活用の見込みだ。ミサワホームでは、施工性に優れ断熱性や耐久性の高い構造体を提供することで、南極地域観測隊の安全・安心の確保および観測活動への貢献を進めていく。