2022年12月20日 15:43

東陽テクニカは、微生物1細胞ゲノム解析用に自社開発した「AGM (アガロースゲル・マイクロカプセル) 試薬キット」を、2023年1月に発売する。本製品は、国立研究開発法人理化学研究所の特許技術(特許第7018685号)を製品化したもの。水溶液を内包したマイクロカプセルで、細胞1個を包埋することが可能。
1細胞(シングルセル)全ゲノム解析では、貴重な未知の種のゲノム解析や個の種で高精度のゲノム情報などを取得可能。さまざまな細胞が含まれるがんの解析と治療法の開発や微生物の研究など、多様な用途が期待されている。しかし、検体量が少なく培養が難しい微生物の1細胞全ゲノム解析では、DNA増幅過程におけるゲノムカバー率を極めて高くする必要がある。その手法の一つとして、微小空間にてゲノム増幅を行うことが実証されている。
本製品は、その微小空間でのゲノム増幅を、研究開発の場で容易に実施することが可能。微生物の1細胞全ゲノム解析で課題であったゲノムカバー率を90%以上と高くすることができ、病理学や生物学などさまざまな研究開発における解析を容易にする。
基本的な実験作業の一環でマイクロカプセルを作製することができることに加え、液滴製造機やセルソーターなどを使うことで自動作製や自動ソーティングも可能になる。今後の試みとして、試薬内容を変更することで対応できる細胞の種類を増やし、さらなる自動化を目指した開発に注力していく。詳しくはこちら。