2022年12月19日 09:02

JETは、同社が製造する急速発酵乾燥資源化装置「ERSシステム」が、山口県酪農農業協同組合(山口県酪)が取組主体となる畜産クラスター事業に採用された。

「ERSシステム」は家畜糞尿、し尿・排水汚泥、食品残渣などの水分を多く含む廃棄物であっても高速で発酵処理できるように設計されている。処理中に排出される投入物中の水分は脱臭後に蒸散するため、排水が発生しない。また、装置内部では真空状態のなか、微生物が投入物に含まれるアンモニアを分解するため、悪臭も放たない。機械的制御により成果物の含水率を設定可能で、成果物を液肥にする場合は含水率80%程度に設定。成果物をバイオマス燃料にする場合は含水率20%程度に仕上げることで良質な燃料になる。装置内部は沸点が50~70℃となるよう減圧し、土着菌にとって最適な活動環境を制御することにより、水分の多い投入物でも高速で発酵乾燥処理する。「ERSシステム」での発酵乾燥処理により、発酵度合いや水分のムラがなく均一な品質の成果物が生成可能。成果物は、燃料、肥料、飼料、敷料として活用できる。

「地域住民から苦情の出ない家畜排せつ物の適切な処理」を行うために最適な装置を3年近く探し続けていた山口県酪は、JETが業務提携する長州産業より「ERSシステム」の提案を受けた。ERSを使えば悪臭や排水を出さずに1日で糞尿を殺菌・発酵処理できるという点に大きな魅力を感じ、その導入を決定。また、計3回実施した近隣住民向けの新規牧場事業計画説明会にて、ERSを使用した環境配慮型糞尿処理に対する住民の理解と期待感を得られたことも、導入の決定要因となった。

JET