2022年12月15日 12:37

大阪石材工業は、従来、墓石として使うことができず土木材などになっていた柄や模様の入った石材を、新しいデザインとして利用し、「re産」という名でブランド化。富田林市にある大阪石材工業南大阪店にて展示するサロンを、1月21日、オープンする。

「お墓は、均一な石目であるべし」というある種の日本的な美意識から、石目が合わない、均一ではない石材は選別される。ナデと言われる柄や模様がある石材は、お墓になることはなかった。お墓として使えない石は、細かく砕いて砂利として使われたり埋め立て用地に使用されたり、石材産地にて山積みにされた状態で放置。採石場で切り出しても、お墓になる石材は全体の3%~5%だという。

今回のサロンでは、全国の石材産地から、ナデの入った原石を集め展示。ナデの模様を個性として捉え、まるで板前のように、顧客と切り方を打ち合わせ、「世界で一つだけの墓」を作るサロンとなる。

日本の石材使用量は、ピーク時120万トンと言われたが、外国産墓石の台頭、少子化によるお墓じまい、永代供養墓の出現により、現在は30万トンに減少。このままでは、地場産業としての石材業が空洞化し、伝統的な石工の技術が失われる可能性がある。同社では、自然の恵みを余すことなく使用するSDGsなお墓を提唱し、根付かせることで日本の石材産地を応援したいと考える。