2022年10月27日 12:04

日本財団と日本水路協会は、日本初の取組となる、日本全国の海岸につづく浅海域の90%を航空測量し、地図化する「海の地図PROJECT」を開始する。
省庁や行政の複雑な管理・所管体制もあり、日本の海岸線のうち、浅海域(0~20m)の詳細な海底地形情報は約2%弱しか把握されておらず、水難事故、防災、ブルーカーボン、生態系の把握や保全など、様々な分野の研究・技術の向上を停滞させていた。そこで海の諸問題解決に取り組む日本財団が、日本水路協会と協働で「海の地図PROJECT」を始動させることとした。同プロジェクトは、日本水路協会が、これまで詳細な地形情報が把握されていなかった浅海域において、日本初の試みとして全国的な航空測量(ALB)を行い、10年間で日本の総海岸線約3万5000kmの約90%の「海の地図」の整備を目指すもの。日本財団は、長年取り組んでいる次世代に豊かな海を引き継ぐための基盤づくり・人材育成に向け、同プロジェクトで作成した「海の地図」を活用し、子どもなどに対する海への興味喚起や理解促進を目的とした取り組みを実施していく。
航空測量で得られる地図情報は密度が高く、船による測量で得られる地図情報と比較し、極めて詳細な海底地形図を作成することができる。詳細な地図情報が広範囲に取得できれば、海で起きる様々な事象を理解するための基盤情報が整備され、水難事故防止や防災分野、生態系の把握や保全など様々な分野における研究や技術の向上の他、環境教育等による海に対する理解の促進などにも繋がるものと期待している。