2022年08月25日 09:52

新潮社は、8月24日、「芸術新潮」9月号「ベルサイユのばら」大特集を発売した。
男装の麗人オスカルと、悲劇の王妃マリー・アントワネット――フランス革命期に生きた対照的な2人のヒロインを軸に描かれる壮大な歴史ロマン「ベルサイユのばら」。連載の開始から50周年を迎えるあの名作が、いま、再び脚光を浴びている。史実とフィクションを巧みに織り交ぜたドラマチックなストーリーと、感情移入せずにはいられない魅力的な人物造形は、まさに少女漫画の歴史を塗り替えるものだった。
「芸術新潮」9月号特集「ベルサイユのばらの真実」では、選び抜いた名場面の数々で物語を振り返るとともに、代表的なキャラクター39人のプロフィールを徹底紹介している。池田理代子先生へのインタビューでは、意外な事実も明らかに。当時の制作秘話や近況をたっぷり聞いた。
さらに、美術雑誌ならではの視点からもベルばらの真実に迫ってみた。「美術篇」では、ルイ15世(マリー・アントワネットの夫ルイ16世の祖父で、あまたの愛人を抱え最愛王と呼ばれた王様)の宮廷で花開いたロココ文化が、革命期に差しかかると、謹厳で正統な美を追求する新古典主義へと移行してゆく過程を、美術史家・鈴木杜幾子さんが解説。「歴史篇」では、「ベルばら」の気になる脇役、オルレアン公の人物像に迫りつつ、フランス革命史を振り返る論考をフランス文学者・鹿島茂さんが展開。作中での登場回数は少ないものの、アクの強さで存在感を放っていたオルレアン公の実像が明らかになる。
定価は1500円(税込)。発売日は8月24日。