2022年06月15日 19:18

現実に作用する身体性のあるバーチャル技術の研究・開発を行うイマクリエイトは、医療現場で必要な手技を学習できるバーチャル空間を、新潟大学と共同で開発した。
高度な技術や知識が要求される医療の現場では、実践に基づく学習が必要不可欠。ところが世界的な感染症の流行で、外出や実習が制限。そこで実践に近い学習機会を用意するための手段として、メタバースをはじめ現在急速に発達しつつあるバーチャルテクノロジーを活用したコンテンツ開発に取り組んだ。
今回、開発されたのは、医療現場で必要な手技のうち代表的な7つを、実際の医療現場における実習のように自らの身体を使って一連の動作を体験しながら学習できるバーチャル空間。バーチャル空間上の患者に対して、同じくバーチャル空間上にある医療器具を使って学習を進めていく。行えるのは、腹部視診、腹部聴診、腹部打診、心電図測定、血液ガス検査、下腿浮腫の検査、血圧測定。
患者のズボンを下げる動作や聴診器から聴こえる音なども、実際の診療を忠実に再現しているポイント。また、バーチャル空間内にはガイドが表示されるので、指導者が横に付き添うことなく、繰り返し自習することが可能。採血の場面では、シリンジに逆流する血液も再現した。内臓や血管の可視化など、バーチャルならではの補助機能も。コントローラーを使用せず自分の手を認識させて学習を進めるため、実際の診療に近い体験が得られる。