2022年05月30日 15:41

日本調剤は、株式会社「ゼクト」が開発したオンライン診療システム「ゼクト・メディカル・オンライン」(ZMO)を用いて、内航船の船員を対象とした船上でのオンライン服薬指導を開始する。

新型コロナウイルス流行以降、日常生活や医療等に必要な物資を流通させる内航船員は、社会機能を支えるエッセンシャルワーカーとして改めてその重要性が認識されている。一方で、陸から離れた船舶という特殊環境下で長期間勤務する船員の健康確保の必要性についても焦点が当てられている。国土交通省によると、2017年度の船員の平均疾病発生率は0.81%であり、陸上労働者(全国健康保険協会の加入者)の疾病率の0.41%と比較して高い。そこで以前から内航海運向け事業を展開しているゼクトと協力し、慢性疾患を抱える内航船員の治療・服薬をサポートする体制を整備した。

ZMOは、在宅医療や離島・へき地などの環境でオンライン診療を提供するシステム。オンライン診療中に画像を撮影することも可能となっており、患者の病変部位の撮影だけでなく関連する処方箋なども撮影することができる。この機能を用いて撮影した処方箋の画像を医療機関から薬局へ共有することが可能。

なお、今回の内航海運向け事業展開に際しては、2020年に同システムを用いた海上での電波強度を確認する実証実験を行った。陸上にあるアンテナの場所にもよるものの、陸地からおよそ40km程度離れた海域でもビデオ通信が可能であることを確認している。