2022年04月28日 10:01

東洋館出版社は、「教室マルトリートメント」を4月28日に刊行する。
教育現場における教師の不適切な指導の報道が、連日あとをたたない。それは、これまで、何がどう不適切なのか、「教育」や「指導」の定義や意味が非常に曖昧であったことが、要因の一つなのではないだろうか。学校で「指導」の名の下に子どもたちを傷つけるような関わりが、知らず知らずのうちに行われていることがなかっただろうか。そのような問題意識のもとに、本書は生まれた。
本書のタイトルである「教室マルトリートメント」という言葉は、筆者である川上康則さんの造語。教室内で行われる指導のうち、体罰やハラスメントのような違法行為として認識されたものではないけれども、日常的によく見かけがちで、子どもたちの心を知らず知らずのうちに傷つけているような「適切でない指導」のことを指している。例えば、事情を踏まえない頭ごなしの叱責、子どもたちを萎縮させるほどの威圧的・高圧的な指導などは分かりやすい例だが、本書ではもう少し掘り下げて、褒めるべき時に褒めない、「子どもにナメられるから」という理由で笑顔を見せない、といったことについても、教室内を重い空気感で包んでしまう指導として取り上げる。
特別支援学校教諭として、長年、障害のある子に対する教育実践を積み、公認心理士・臨床発達心理士でもある著者が、教師の不適切な指導、そしてその発生要因としての現代の教師が置かれている現実というテーマに真正面から向き合った、今この時代だからこそ届けたい、渾身の1冊だ。
価格は2200円(税込)。発売日は4月28日。